「ちゃん！・・・どうしたの？何処行くの？」



珠美がそう呼ぶ声が聞こえた。





聖なる夜に・・・






今夜は毎年恒例のはばたき学園理事長宅でのクリスマスパーティ。


高校３年の今年、それも最後だから、今夜こそ！と私も気合が入っている。


それなのに・・・肝心のアイツがいない・・・。



もう、パーティが始まったというのに・・・。

去年は、あちこちに顔出しては、女の子に声かけまくっていなかったっけ？

「今日もバイトだったっけ〜？？」

そう声に出してしまっていた。

「どうかしたの？藤井さん。」

志穂に声をかけられて、慌てて何でもない振りをした。









誰かの携帯がなった。・・・あの子だ！


そっと近づこうとしたけれど、何だか慌てたように駆け出した。


「ちゃん！・・・どうしたの？何処行くの？」


珠美がそう呼ぶ声が聞こえた。



やっと背後に近づいて、二人の会話を聞いた私は・・・。










ブブーッ　ブッブーッ


あの子がアイツの家のチャイムを鳴らしている。















！！！
















パタン！













「あーあ。私、何やっているんだろう・・・」





薄っぺらいけど、綺麗な三日月を見上げて、つぶやく。



見たくなかった。知りたくなかった。



あんな・あんな姫条の顔！



すごく嬉しそうで、幸せそうな・・・あんな顔。




「お前には他の女と遊んどると思われたなかったから・・・・・か。」





いつからだろう。



確かに去年はまだ色んな女の子を隣において、遊んでいたよね。なのに・・・。



やっぱりあの夏の日、一緒に海に行ったのはあの子？



「・・・今度とお化けは出ないかぁ。」



さすがの私もかなり凹んだよ。あんな顔見せられたら。




ねぇ、姫条。あの子の何が良かったの？


何がそんなに私と違うの？私じゃダメなのはなんでなの？




あの子はあの部屋に入れてもらえるんだね。


遊んでるけど、部屋には女は入れないと有名なんだぞ！


アイツの前で、素直になれない、可愛くない私だけど、

アイツを一番分かってあげられるって、分かってるって思っていたのに。



確かにあの子は可愛い。性格もいいし、成績もいい。

運動も出来るし、天然ボケらしいけど、モテるみたい。

でも今まで姫条の周りにはいなかったタイプだよね。



「だから・・・か」





それでも姫条。・・・私はやっぱりあんたが好き！


今、あんたがあの子がいいと思っていたって、

まだ、逆転のチャンスはきっとあるよね！？


あんたは私が幸せにしたいんだから！




絶対なんて、この世の中にはないんだから！！





だから、だから、もう少し・・・

私のことも見てよね・・・。



見上げた夜空の儚げな三日月が綺麗過ぎて、






涙がこぼれた・・・。





Ｆｉｎ




＜言い訳＞

きゃー！ごめんなさい！(土下座！)
せめて何か自作を！と悩んで、悩んで！
頑張ったけど・・・今の私にはこれが限界です。
しかも何がＦｉｎなんだかなぁ。もう！

お気づきと思いますが、設定は姫条君がちゃんに「ときめき」状態になる、
３年目のクリスマスイベントです。
ここで、ちゃんと奈津実ちゃんは、顔見知り程度のお付き合いです。
（だってライバル宣言してる状態の話は書けそうになかったんだもん）
ちゃんは、珠美ちゃんに何でも報告してしまう状態にあります。

もう姫条君をプレイしたのがかなり前なので、セリフうる覚えですみません。
そして、ドラマＣＤからネタ頂きました。

初ＳＳが何故になっちん視点で、姫条×主人公なのか！
それは、自分がなっちんの性格に近いと思われるから。
クリスマスに書くならイベント！なっちん視点で書くなら、相手は姫条しかいない！
という訳です。

とりあえず、クリスマスにひとつ！と思っていて、思いのままに突き進んだだけなので、
何だか分からない作品になってしまいましたが、勘弁してください。

それでは、皆様に幸せが訪れますように・・・。メリークリスマス！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2003.12.25花野

　back