修学旅行の夜には…

枕投げが終わった！オレとの圧勝やった。 どうやら、ヒムロッチも部屋に戻ったみたいやな。 オレは喉が渇いたと部屋を出て、自販機に向かった。 さっき、偶然と一緒に布団の中に隠れた。 オレはすぐやと分かった。 はオレやと分からずにかなり固まっていたから、小声でオレやと告げた。 が緊張を解くのが分かった。 それだけの事やったのに、涙が出そうになる位やった。 オレやから安心？それは確かにかなり嬉しいんや。 せやけど、オレやから緊張して欲しい思うのは、我が儘なんか？ ヒムロッチの声にビビって、オレにしがみついてくるをオレはギュッと抱きしめた。 「き・姫条君？」 「声出しちゃあかんて。離れてたら２人入ってるのがバレるやろ？」 そんな言い訳を耳元でし、を腕に閉じ込め、黙らせる。 の体が強張っているのが分かる。 それも何や悲しいなんて、オレはどうかしたんか？ 部屋に戻ると………なんや？どないしたんや？ 「あ、姫条くん。おかえりなさ〜い！」 がオレに気づき、ケラケラ笑いながら、手を振った。 ん？明らかに普通と違う様子の。 皆もや。に近づこうとして、何かが足に当たる。 カラン。 あっ………。 缶チューハイやないか！ 誰や？こんなもん持ち込んだんは？ 「やぁ、そこにいたね？」 「み、三原？」 「そう、僕だよ。どうしたんだい？姫条君？」 「いや、別にどうもせんけど、これ、どうしたん？」 缶を持ち上げて見せる。 「ああ、皆が喉が渇いたって言うんでね、ささやかな差し入れだよ？ 君も飲むかい？」 「は？」 三原の差し入れ？こいつ、酒やって分かってるんか？ 「酒やぞ？」 一瞬、三原が困惑の表情を見せた気がした。 「そんなこと、僕は知らない。」 「はぁ〜？」 ここでまたヒムロッチが来たら、えらいこっちゃな。 他のヤツはどーでもええけど、はあかん。 就寝時刻過ぎてんのに、男部屋におって、しかも飲酒や。 「、ちょお、付きおうて？」 の腕を取り、半ば強引に立たせ、連れ出す。 「うわぁ〜。風が気持ちいいねぇ〜。」 ちょうどさっき見つけた、屋上への扉。 開いてた訳やないけど、開けた。 屋上の夜風に当て、少しでも酔いを冷まさな思った。 隣に座って、は楽しそうに、金閣寺はどうだっただの、 明日は何処だか行くだの、はしゃいどる。 ほんのりピンクに染まった頬のに見惚れてまう。 もう一度抱きしめたいそう思うとった時、 じぃーーーーっとがオレの目を見た。 ドキン！ どないしたんや？急に……。 「姫条君！」 じっとオレを見つめたまま、身を乗り出した。 「な、なんや？」 オレは思わず、体を引いてもうた。 「姫条君は、私の事嫌い……なの？」 「は？」 何やねん。それは！ しかも、そないウルウルした瞳ぇで見つめないでくれ！ 「だって、前はデートの約束しようと電話すると、いっつも！ そっちから誘うっちゅうことは、キスくらいまでやったらＯＫ？って、言ってたじゃない！」 そ、そうや。軽いノリで受け答えせな、どうしていいか分からん位、 このオレがドキドキしよったからや。 それをなんで、今？？ 「？？」 ぎょっとした。ハラハラが泣きよる。 どないしたんや？ 「最近、姫条君からもデートに誘ってくれるようになったのに、 前みたいに私に近寄ることないよね？？」 え？ そうか？ そうかもしれん。 前みたいに気軽に肩に手を回してみるなんてこと、出来へん。 確かにそうやけど、にぶい思うてたけど、気づいとったんか？ オレが考え込んで黙っているのをなんて誤解したんか知らんが、 の涙はどんどん溢れてきよる。 この酔っ払いをどうせい！っちゅーねん！ だ、誰や！こいつに酒なんか飲ましたアホは！ 「私、全然魅力ない？」 じぃーっとオレを見つめる。 「は？」 「キスしたいなって思うような子じゃなかった？」 はぁ〜〜〜！？ ちょお待て！どうしてそうなるんや？ キスかてしたいわ。それ以上のことだってしたい思うとる。 でも、気軽に手を出せるような子じゃあらへんのや。 大事やから、大切にしたいんや。 今までの女に、こないな気持ちになったことないんや。 だからオレも戸惑ってるんや。 どうしていいか、わからんのや。 の気持ちまで、考える余裕あれへんかったんや。 「あ、あのな。？」 ハラハラ泣き続けるが顔をあげる。 「もう、泣くなや…。」 その体を引き寄せ、そっと抱きしめる。 「姫条君？？」 今、言わなあかんのか？？ この酔っ払いに言わなあかんのやろか？ 何も言えずにただ抱きしめていた。 オレの胸に抱かれていたがそっと顔をあげ、 「姫条君、あったかい………。」 にっこり笑って、オレの頬に軽くキスをしたんや！ 一瞬、何が起こったか、把握出来へんかった。 再び、がオレに体を預け、もたれかかる。 かぁ〜〜〜〜〜！！ から、頬にとはいえ、キ･キス！！！！？ もオレの事好きやと思うてええんか？ オレは今、言わな、いつ言えるいうんや？と決意した！ 「あ、あのな。！」 返事がない。。。。 ？？ 「？」 ！！！ 「はぁ〜〜〜〜〜！」 人がやっと言える思うたのに、これや。 オレの腕の中で、気持ち良さそうにすやすや眠るがおる。 男の前でそんな無防備に寝んなや…。 オレやなかったら、どないするつもりなんや？ オレかて、自信ないで？ 安心しきった顔で寝息を立てているに、 「ほんま、手ぇなんか出せへんよ…。」 小さなため息をついて、その頬にそっとキスを落とす。 「好きやで。…めっちゃ、好きや。」 そして、 耳元でそっとささやく。 が笑ってくれた思うのは、勘違いやろか？ 「なぁ。今度はちゃんとしたキス、させてな…。」 ＥＮＤ 3333HITありがとう。のりこさんへ (C)KanoNakaizumi‘Lemonade’ ■　花野の言い訳　■ のりこさんからのリクは、「主×姫」主人公押し気味で、へたれな姫条君。 で、甘甘修学旅行！！ 中泉は焦りました！姫条君とときめき修学旅行に行っていない！！ しかもここの所、姫条君ばっかり書いてるくせに、姫条君とデートすらしていない！ これはゲームやらなくちゃ！って思ったのに、その余裕が全然ない。 結局、ときめきデートしないまま、また書いてしまいました。。。 あぁ。どうしよう？ときめき修学旅行ってどんなの？（だからやれよ） どこら辺が修学旅行？ってな気がしないでもないけど、許して！ のりこさんのみお持ち帰りＯＫです。 題名…もうちょっと考えろよ…。 *　注　お酒は20歳を過ぎてから！真似してはいけません！ 2004.6.12　花野 　presentへ 　novelへ