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デートは夜に？ 「葉月く〜〜〜ん！」 元気な声で俺を呼ぶ。心地良い声……。 もっと聞いていたい…。もっと俺を呼んで欲しい…。 「葉月君ってば！！」 何度か呼ばれ、やっと振り向く。 もっと聞いていたかったけど……な。 「なんだ？どうした？」 「さっきから呼んでたのにぃ〜。」 ぷぅ〜と膨れるお前。あぁ、知ってた……けどな…。 「悪い。ボーっとしてた。」 「ま、いいけど……。あ、あのね！明日の夜……暇？」 気のせいか、ちょっと赤くなって俯く。 「明日の夜？」 夜になんでだ？？ 「昼間じゃ……駄目…なのか？」 素朴な疑問を口にしてみる。 「あ、ううん。そうじゃないんだけど……。」 落ち着きなく視線が泳ぐ。 何か企んでる……のか？？ ま〜いいか。 昼でも夜でもお前の為になら、いくらだって都合つけてやる。 「べつに、かまわない……。」 「本当！？」 パッと顔をあげて、微笑む。 「あぁ。」 そんな顔を見られるのは、とても嬉しい。 「じゃあ、明日の夜11時半！迎えに行くから！」 じゃ〜ねぇ〜とさっさと走り去っていった。 「は？11時半？？？」 夜の……だろ？なんでそんな時間なんだ……？ 迎えに来る？危ないじゃないか……。 そう思った時には、もうお前の姿はなかった……。 翌日…… 約束のかなり前の時間から、俺は待っていた。 「じゃあ、行って来ますｖ」 パタンとドアが閉まって、あいつが出てきた。 何だか、でかい荷物を持っているようだった。 「……」 「え？」 びっくりして、が顔をあげる。 「葉月君……どうして？」 「どうしてって……こんな時間に一人で来させる訳には行かないだろ？」 「え？」 全く。危なっかしいヤツだ。 「貸せよ。」 何だか分からないが、でかい荷物を持ってやる。 「ありがとう。」 照れくさそうに、が笑う。 「で……何処に行くんだ？」 こんな荷物持って、何処に何しに行こうと言うんだ？ 俺を誘って……。 「………………」 が答えない。 「……？」 振り向き、を見つめる。 俯いて赤くなってる……よな？？？ どうしたんだ……？ 「？？」 もう一度呼んでみる。 「葉月君のお家……」 小さい声でそう言った。 「え？」 俺の家？？？？ こんな遅くにか？？？ びっくりして言葉を失くす。 それはいったい……どういう意味……？ 「葉月君が迎えに来るから、計画台無し！」 真っ赤になりながらもプンプン怒っている。 何だ……それ？？ 訳が分からない……。 いつもの児童公園でふと足を止める。 「あ〜あ。」 星を見上げながら、盛大にがため息をつく。 計画って何だったんだ？ 「おい。」 「え？」 「…どうしたんだ？」 急に心配になる…。 は視線を外し、時計に目をやる。 「まだ1時間以上早いんだけどなぁ……。」 何の事だ？？？ やっぱり訳が分からない……。 でもこんな真冬に外にいたんじゃ風邪をひいてしまう。 「……？」 俺はもう一度名前を呼ぶ。 「あぁ〜もう！いいや！」 意を決した！という顔をして俺を見る。 俺の手から荷物を取って、後ろを向いてしまう。 「？」 両手を後ろに隠したまま、俺の前に立つ。 ？？？ 真っ赤になって俯いている。 「？」 もう何回呼んだだろう…。 パッと俺の目の前に可愛いラッピングをした箱が現れる。 「明日！バレンタインだから！」 「え？」 真っ赤な顔をあげて、じっと俺を見る。 「受け取ってくれる？」 「あ、あぁ。」 ありがとうとその箱を受け取る。 でもまだ理解出来ずにいた俺に 「一番に渡したかったから、0時になったらと思ったのに。」 「え？」 「今、渡しちゃったら、バレンタインじゃないよ……。」 拗ねたような怒ったような照れたような……可愛い、。 俺に告白……？ が……？ 特別に……なの……か？ 俺の都合のいいように…受け取っても…いい…のか？？ 「葉月君？？」 「え？」 「迷惑だった？？」 黙り込んだ俺を心配そうな顔で見ている。 俺は答えられずにいた……。 「ひゃ〜。寒い。」 ひゅ〜と風が通り抜け、が身を縮める。 の荷物を持ち上げ、の手を取る。 「は、葉月君？？」 びっくりした顔をして俺を見ている。 「俺の家、来いよ！」 「え？」 の顔を見ずにスタスタと俺は歩き出した。 「ありがとう」 暖かそうに渡したコーヒーを飲む。 思わず連れて帰ってきてしまったが、俺の思い込みじゃないのか？と急に不安になる。 あれはただの義理で、お前は特別に思っていないのかもと……。 「なぁ。こんな時間に出てきて、家、大丈夫なのか？」 こんな荷物持って、明日は月曜なのに。 かぁ〜とが赤くなった。 ？？？ 「なっちんの家に泊まって、学校に行く事になってるから……。」 あぁ、この荷物、制服とかカバンなのか……。 「？」 「でも、なっちんが上手くいったら来るなって……。」 消え入りそうな声でが言う。 「は？」 なんだって？？？？ 「それって……。」 俺の家に泊まる……という事なの…か？？ そういうつもり……なの…か？？ いや、まさか。が……！？ 真っ赤になりながら、上目使いで俺を見る。 「迷惑……？」 何……が？ 駄目……だ。 俺は…自分に都合の良い事ばかり考えている。 が全然そんな気でなかったら……？ 臆病……だな。 何もかも、から言わせたいなんて……。 そうじゃないと安心…出来ないなんて……。 もうすぐ０時だ。 「……。」 「なぁに？」 「０時になったら、…俺に告白……して…くれる……のか？」 かぁ〜〜と赤くなる。可愛い。 そっとその体を抱きしめる。 「葉月く……ん？」 ビクッと体を強張らせながら、俺の名前を呼ぶ。 「…珪……だ。」 「え？」 「珪……そう呼んで欲しい。」 「珪……くん？」 ま、いいか。今は……。 「あぁ。」 ギュッと抱きしめる腕に力を入れる。が俺の背中に手を回してきた。 「珪君…大好き……」 からの告白……。嘘じゃない……よな？？ 「…俺も……」 「え？……えぇ〜？」 心底驚いたように、が言う。 「……そんなに驚く……か？」 苦笑しながら、を抱きしめる力を緩めて、顔を覗く。 「だって、だって！！」 真っ赤な。可愛い。 もう一度ギュッと抱きしめて言う。 「好きだよ…………」 「珪……くん……」 「今夜は帰さないから……な……」 end 8888HITありがとう。さよさんへ (C)KanoNakaizumi‘Lemonade’ 花野の言い訳 「付き合う前の2人で、主人公ちゃんの方が積極的な方がいいな。季節は問いません。」 というリクエストでした。 バレンタイン近し！ということで、女の子から積極的になれるイベントはこれしかないと！(笑) 自宅を出た時、葉月君のお迎えをもちろん！尽がこっそり見てたとか！ 泊まりに来なかったねぇ〜となっちんに散々からかわれるとか！！ そんな想像を一人で勝手にしてニヤニヤしてた私です。(爆) 何だか偽王子で、へたれな気がとってもするんですけど……。(滝汗) こ、こんなんでいいでしょうか？さよさん？？ きちんと起承転結でしたっけ？ 話が組み立てる努力をしたいなぁと思います。 自分の中にある状況(シチュエーションとか）もきちんと説明出来ないし。 とても素敵な文章に出会うと「すごい」と尊敬する気持ちの反面、凹みます。 書きたい気持ちだけはあるから。 日々精進！ＳＳもお絵描きも頑張りたいです。 2005.2.10 花野  presentへ novelへ |