wish…

「なぁ、流れ星に願い事したこと、あるか？」


から誘われたプラネタリウム。

「魔法使いになれますようにって」

「あ、ソレ……俺もよく考えてた。子供の頃。」





そんなプラネタリウムからの帰り道。



ねぇ、、半年前、同じ質問したよね……。

あの時は……




「ラブラブになれますようにって。」

「…誰と？」

「あれ？もしかして、気になる？」

「……べつに。」

「じゃあ、教えない。」

「……。」

「気になる？」

「……べつに。」



そんな会話をした。

ねぇ、。

私が誰とラブラブになれますようにって、お願いしたか…もう分かっているよね？

あの時、べつにって言いながら、気にしてくれてるが、すっごく嬉しかった……。

そんな半年前に思いを馳せてた私。

いつもなら、こんなにボーっとしてたら何か言ってくるはずだった。

？　

？

どうしたんだろう？


「？どうかしたの？」


「……」

？



「なぁ、お前。もし魔法使いになれたら、何がしたい？」

「は？」

突然どうしたんだろう？

「？」

「あ、いや……べつににいいんだ。深い意味はない……。」

？？？

そう言って、また黙ってしまった。

「あのね、私……。

好きな人のこと、もっとよく分かるようになりたいな。」

が一瞬目を見開いた気がした。

「上手く話せなくても、態度に出なくても、何を考えているのか、どうして欲しいと望んでいるのか、

少しでも理解したいし、私に出来ることはしてあげたいの。」

心が読めるとかそういうのではなくて、言葉がなくても、理解しあえたらいいな。

はあまり多く話してくれない。言いかけても、言葉を飲んでしまう。

一人で抱え込まないで、私にも分けて欲しい。

でも、言えない人だから、彼に負担をかけないで済むように、そこに言葉がなくても、

理解出来たらいいなって思うんだよね。

まーさ、なっちんにも珠ちゃんにも志穂さんにでさえ、

「鈍感なに、そんな芸当は出来ないね。」

って冷たく言われちゃったけど……さ。



あれ？？？


が黙り込んでる。怒っているの？

ど、どうしよう。変なこと言った？

「？？」

何だか淋しそうな、辛そうな、そんな顔をしている。

な、なんで？？サッパリ分からない。

あああ。だから鈍いって言われちゃうの？？


「なぁ、。」

目を伏せてが言う。

「な、なに？」

「お前、俺といて楽しいか？」

え？何事？私、何か嫌な思いさせたの？

「楽しいよ？どうして？」

「……。」

「……。」

「半年前……。」

「半年前？」

「お前、流れ星に……。」

「あ、ラブラブになれますように？」

じっとが私をみつめた。ドキンとする。な、何？

「お前…誰か想っているヤツ…いるん…だろ？」

えええ？？

「ど、どうして？」

「……。」

「いや、今もその……。」

ああ、好きな人のこと分かりたいって？


「それがどうかしたの？」

「……。」

がため息をついた。


「そんなヤツがいるんなら……、無理に俺に付き合わなくても……。」

「え？」

ちょ、ちょっと待って？どうしてそうなるの？

私は全部のことを思ってたのに……。

「じゃあ。」

そう言って突然、帰ろうとするにしばし呆然とした。



遠ざかろうとする背中。どうしてそんな誤解を？？？





「、待って！」

私は後ろから抱きつき、呼び止める。

「？」

が驚いている。


いつの間にか私は泣いていた。


振り向いたの胸に飛び込む。

「どうして？どうしてそんなこというの？」

「ど、どうしてって･･･。」

そっと顔をあげる。視線が会うと、ふっと反らされる。

つらそうな顔に見えるのは気のせいじゃないよね？


「好きなヤツに誤解･･･されるぞ？」

！！！

「誤解してるの、だよ！！」

「え？」

がびっくりして私をじっと見る。

私は綺麗なグリーンの瞳に誘われてしまった。


！！！

「？？」


「のことよ？全部のことだよ？」

分かってもらえていなかったことが悲しくて、誤解させた自分が許せなくて！！

興奮しながら訴えた！私はを好きなんだよ？


じっとを見るとはびっくりした顔で、


そっと片手を唇に当てた……。




ハッ！

慌てて、から離れる。


わ、私？

な、なんてことを！？



がびっくりしている。当然だよね……。

「ご、ごめんなさい。」

に背を向け、走り出そうとした。


グィ！

腕を掴まれ、向きを変えられ、今度はが腕の中に私を閉じ込めた。


「……。」

私の肩に顔をうずめ、優しい声でつぶやく。


心臓が破裂しそう！ど、どうしよう！

私は返事も身動きも出来ずにいた。

「…………。」

何度も優しく私を呼ぶ、私の大好きな人の声。

「ご、ごめんなさい……。」

もう恥ずかしくて、謝る以外言葉が出ない。

がパッと私の肩から離れた。

「？なんで謝る……んだ？」

が心底不思議そうに、でも優しい瞳で問いかけてくる。

「え？あの…その…だって……。」


///////


「……ごめん。」

今度はが謝る。

「え？どうしてが謝る……の？」

ドキ！っとした。わ、私、やっぱり迷惑？

うぅ、また泣きそう。そう思った瞬間、再びに抱きしめられる。


「……誤解してたのは、俺……？」

が耳元でそっとささやく。

「……うん。」

それだけやっと答える。

「…そう…か。悪い。……嫉妬……だな。」

え？嫉妬？が？？なんで？誰に？？

もう何がどうなってるのか、分からなくなっていた。

のキレイな手が私の両頬を包み、優しい瞳が私をみつめる。

「願い事の相手は、……俺でいい……のか？」

があんまり綺麗で、私はコクンと頷くことしか出来なかった。

「サンキュ。」

は、小さな声でそう言って……。









私に触れる瞬間、もっと小さい声だったけれど……




「好きだ。」




そう言ってくれた……。












ＥＮＤ
2000ＨＩＴありがとう。萌寧さんへ
(C)KanoNakaizumi‘Lemonade’


■　花野の言い訳　■

キリ番2000をを踏んでくれた萌寧さんから、
「主人公ちゃん視点の王子と主人公ちゃんのラヴ〜ｖなＳＳ」とリクエストを頂きました。
ああ、とりあえず良かった！主人公ちゃん視点で！と実はホッとしたのですが、
何故か！浮かんでは消えていくＳＳの断片は全て王子視点！
しかも、全て！！が、嫉妬・誤解！
ええ、これはもう！思いつく限り、王子に嫉妬させようと心に誓いました！(笑)
そして、何回か書いては展開していけず、お蔵入り！にしたんですが、
やっと！何とか！書き終える事が出来ました……が！！
主人公ちゃんから？？？しかもどこがラブラブ？？っていう仕上がりに。(滝汗）

萌寧さん、す、すみません！
こんなんでお許し出ますか？　か、書き直し？？どきどき。
2000番踏んでくれた萌寧さんのみ、お持ち帰りＯＫです。
貰って下さい。

2004.5/8　花野
ところで……主人公を鈍い鈍いって言うけれど、だって相当鈍いと思うんだよねぇ。


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